お魚は今日も泳ぐ

お魚は空を飛ばないしお話もしない

永久を願うから孤独になるのだ

飛び降りた世界に別れを告げて
輪の中には入れない
終わりを信じたくなかった
寝違えた夢とイミプラミン
がらんどうの箱に吐き出す恨み
虚ろな目とモルヒネ
烏の子どもは帰れない
ラッパ吹きの一人劇場
国家転覆を図って
毒の入った銀の皿を叩きつける
苦痛を味わう前に快楽へと逃げろ
肉を切っても骨は断てない
奈落の底が手招きしている
流転した空想も真っ逆さまに沈む
喉元から手は出ない
ダイアモンドダストが呼吸を止めた


真っ黒な空を惚けたように見上げていた。月も、星も、太陽も消えた空は僕を呑み込もうとせんとばかりに闇を広げている。朝方の澄み切った空気も、夕方の涙の滲むようなオレンジだって消えてしまった荒廃した世界の中で、ひとり蹲って、遠い遠い過去を、あの日を、思い返すしかなかったのである。




永久を願うから孤独になるのだ



「おねがい、ぼくをおいていかないで」

僕ら星に一人きり