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お魚は今日も泳ぐ

お魚は空を飛ばないしお話もしない

夜明け前の秘密

 

 

爪先立ちの原石
暗闇から手を伸ばす怪物
怠け者のシュプレヒコール
ベッドサイドの赤ワイン
小さな身体と静かな背徳
二人だけの秘密だと
落された快楽
狂った果実は苦味が強い
狂気はオトナの形をしている

 

 

夜の怪物によって差し出された子どもに内緒の時間は余りにも強烈で甘美すぎたのだ。早く大人に成りたかった子どもは、そうして現実を知る。燻っていた原石は、今ここで宝石となったのだ。


そうして少女はオンナになった

真昼のスピカ

 

 

世界の終わりに見えた夢

9.8の真っ青天使

ハロー、ハロー

リ・バースする星の子

鯨の歌声が聞こえる

彗星核の涙

君と僕の間の反引力

約3℃の静かな闇

超重力のワルツ

反芻する君の笑顔

止まった時のその先へ

深海から見た青い星

朝焼けと一番星

僕らきっと宇宙人

 

 

空目した真昼のスピカ

ぼくのあいしたあおいほし

 

或いは、生存戦略にすら勝てなかった愚か者/宇宙規模の革命戦争と孤立無援の引きこもり勇者/表に立てなかった英雄と首を吊った独裁者/ワープアンドワープの実情と頭の弱い被験者/拝啓、あの頃のぼくら/情弱な大人とロマンチストな子供/さらば、死に逝く青い春/ぼくらのあおいほしに。

 

 

ぐるぐると渦巻く空を見て、やはり呆気ないものだと感慨に耽る。あれだけ大きいと思い込んでいたセカイは、どうしようもないほどに小さくて、そして脆かったのだ。おはよう。耳を澄ませば何万光年もの先の宇宙の彼方から、生まれたてのほしがぼくらを呼んでいる。ああ、早く行かなくちゃ。

ピーターパン・シンドローム

狭い部屋が居場所だった
一人遊びはお手のもの
ワンダーランド、置いていかないで


かくれんぼは嫌いだ。「もういいかい」「もういいよ」夏の夕暮れは随分と遅い。「もういいよ」日がすっかり傾いて、気温が下がってもずっと。「……もういいよ」一人遊びは得意だったけど、待ちぼうけは苦手だった。「もう、いいよ」鬼は来ない。夜空に星は一つも見えない。だから、かくれんぼは嫌いなんだ。


徒然のマンデー
グロッキー・サウンドを爆音で
ジョハリの窓を曇らせる


おいでよ、と差し出される手を振り払った。僕は一人の部屋がどうしようもなく好きで、一人で過ごすことが僕の幸せだった。もう僕の世界に他人など要らなくて、僕は一人で生きられるのだと本気でそう思っていた。――嘘を吐いた。


がらんどうの鳥籠とワルツ
錆びた南京錠と引きこもり
真っ暗闇のアイラブユー


グッモーニン、Mr.J。今日も朝日は昇って、僕はいつも通り暗い部屋の中で毛布を引っ被っている。ピーターパン・シンドローム、僕は大人になんてなりたかないよ。

人は懐古せざるを得ない

最近は10年~20年程前のサブカルコンテンツが続々と復活してきており、どうしようもなく懐古してしまう。
もう失った小学校の時の純粋さとか、青さとか。くっだらないことで喧嘩したり、叱られたり。日曜の朝に家から見た青空なんていつまでも脳裏に染み付いている。
それらの記憶が次々とサブカルコンテンツから連想ゲームのように思い出されて、ついつい昔の(とは言っても10年くらい前なんだけど)思い出に浸ってしまうのである。

昔は良かった、という年長者に懐古厨乙、なんて貶してたりもするけれど、結局自分も懐古厨になっている。

とりあえず今日はおいでよどうぶつの森のBGMを聞きつつ寝ようと思います。もう10年位前なんだってよ…。

忘却

 

貴殿、のその首の切り口を

観衆に晒したまえよ なあ聞こえるか?

叫び声に秘められたその歓声

醜く朽ち果てる傷口は 完全なる整合のとれた世界への入口なのさ

さあ笑えよ皆の衆 今ここに新たなる王国は完成した

愚かな王に導かれ消えていく王国が

王都に集えよ偽善者の皮を被った革命者たち

死に損ないの司教の息はまだ続いている

ひと思いに✕✕せよ 亡者たちが押し寄せる前に世界を反転させるのだ

落ちた椿の花のようにゴトリと首を落として、あなたを迎えに行くの

 

 

永久を願うから孤独になるのだ

飛び降りた世界に別れを告げて
輪の中には入れない
終わりを信じたくなかった
寝違えた夢とイミプラミン
がらんどうの箱に吐き出す恨み
虚ろな目とモルヒネ
烏の子どもは帰れない
ラッパ吹きの一人劇場
国家転覆を図って
毒の入った銀の皿を叩きつける
苦痛を味わう前に快楽へと逃げろ
肉を切っても骨は断てない
奈落の底が手招きしている
流転した空想も真っ逆さまに沈む
喉元から手は出ない
ダイアモンドダストが呼吸を止めた


真っ黒な空を惚けたように見上げていた。月も、星も、太陽も消えた空は僕を呑み込もうとせんとばかりに闇を広げている。朝方の澄み切った空気も、夕方の涙の滲むようなオレンジだって消えてしまった荒廃した世界の中で、ひとり蹲って、遠い遠い過去を、あの日を、思い返すしかなかったのである。




永久を願うから孤独になるのだ



「おねがい、ぼくをおいていかないで」

僕ら星に一人きり